とある団地に住む主婦のブログです。
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七五三
2016.11.14 Monday
Kは自分で着物を選んだ。ダークカラーの地色に光る糸が織り込まれている生地で、いかにもKが好きそうな着物だった。「こんなの着たくないよ、きつすぎるよ」と文句を言っているのをなだめつつの一日。さすがに泣いたり、ひどく愚図ったりすることはなかったけれど、見守る方としてはやはり緊張してしまい、ぶじおわりますように、ぶじおわりますようにと心で唱え、全てが終わる頃には肩ががちがちに凝ってしまった。
驚いたのはスタジオのカメラマンの男性が、Kのクラスメートのお父さんだったことだ。同級生のお父さんが写真がお上手で、ちょうど翌日に控えていたクラスの「ハロウィン会」ではカメラマンとして来てくださる、というのを他のお母さんから聞いてはいたのだけれど、まさかお仕事にされている方だったとは。別のカメラマンにKの一人写真を撮ってもらった後、家族写真はそのお父さんに撮ってもらった。
神社で祈祷を受ける前の待ち時間、池の鯉に向かって石を餌だといって投げ入れようとするK。やめろー!
まだ10月、そして平日ということもあり、特別な観光名所でもないその神社に、七五三のお詣りで来ているのは、私たち親子だけだった。というより参拝者自体まばらであった。そんなわけでご祈祷も貸し切り状態。お宮参り以来だから、拝殿の中に入るのがほぼ初めてのKは中の装飾品や、ご祈祷をしてくださる神職の方の装いが気になるようだった。小声でちっちゃん何あれ~とぷぷっと吹き出すK、「あの人がもしかして神様なの?」とは結構本気の問いである。
スタジオで撮ってもらった写真はすべてデータでもらい、後日、自分でカレンダー付きはがきと小さなフォトブックに仕立て、両実家に送った。それから、Kがデータを見て自分用に写真が欲しいと言ったので、彼が気に入ったショット(刀を構えているやつとか、虎の屏風の前で正座しているやつなど)を何枚かプリントしてあげた。おれ、こんなのきついから早く脱ぎたいとあれだけぶーたれていたのに、やっぱり自分カッコいいと思えたんだな。
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ところで1年前、Kが上海で通っていた幼稚園で七五三のイベントがあり、Kも参加したのだけれど、その時Kにとっては忘れられない出来事があった。お土産に頂いた千歳飴2本のうち1本を、年長さんの女の子に帰りのバスの中で取られ、食べられてしまうという事件である。「Nちゃんにうばわれて、たべられたの、Kちゃんのなのに」と泣きべそをかいたKを、「日本に帰ったらぜったい買ってあげるね」等々、私も切ない思いで励ました記憶がある。
1年経ってもKはこのことをよく覚えていて、今回の七五三でもらった千歳飴をなめながら「まえは~Nちゃんにうばわれたからね!やだったなー!」と回想していた。Kにとっては「奪われる」という言葉は、千歳飴の思い出とセットなんだろうなあ。
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