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とある団地に住む主婦のブログです。
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船旅記録 4


私も30分くらいはKと昼寝していたみたい。目が覚め、Kがまだ眠っているのを確認してからベッドからそっと下に降りた。


窓際のちゃぶ台スペースには同室の日本人女性Yさんがいたので、向かいに座り小声で少し話をする。彼女からは今どきのバックパッカー事情、彼女の旅の話、ワーホリの話を聞き、自分からは20代の頃の旅の話、中国とかかわってきたこれまでの色々なことを話す。中国では四川省の東チベット地区に行かれたとのことで、鳥葬の様子を撮影したという写真を「大丈夫ですか」と聞かれつつ、解説を交え見せてもらう。

Kはちょうど1時間眠ったくらいの時刻に目を覚ました。いつもより短めの昼寝。百度地図で確認すると、船はすでに黄浦江を出て、長江上にあった。窓から外を見れば黄土色の長江はまるで海のように広く、対岸がみえない。行きかう船舶も黄浦江で見るような小型船はおらず、大型のものばかりであった。GPSで自分の位置情報がなければ、すでに海に出たのではないかと錯覚する景色。そうだ、対岸が見えないくらい(人気のない)場所なのに、まだ中国聯通の3Gが生きているなんて。

YさんとKと甲板へ出る。船は茶色の長江に囲まれていた。そして水平線の下には、灰色がかった青の濃い帯が見えた。河と海の境目がきれいに分かれているのだ。Kにもあの黒いところから向こうが海だよと説明する。(上の写真)長江の茶色い水は、青い空の下にあっても全く美しくなく、素晴らしい景色とは言えない。でも、この完璧に濁った巨大な河を間近に見ていると、これまでの中国の歴史の清濁何もかもを飲みこんできた力があるような気がして、そのスケールの大きさに圧倒される。



外は長袖のTシャツ一枚では肌寒いくらいの気温。要らないかなと迷いながらも、Kに防寒用のベスト、自分にも軽いコートを持ってきて良かった。危うく風邪をひくところだった。黄浦江上に居た時より少し揺れが増してきたような気がした。あわてて外洋に入る直前の15時頃、持参した大人用の酔い止め薬を服用する。

そして、展望風呂に入りたいとせがむKの要望通り、風呂に入ることにした。風呂に入るには早すぎる時間だけれども、団体客に汚される前に風呂は使ったほうが良さそうだ。乗船客が行き来できる船内は主に3層構造になっていて、2階には我々が泊まる部屋と食堂、読書室があり、3階に展望風呂、特別室、甲板へ続くドアがある。タオルを持って2階から3階にあがるときには、階段の手すりを持たなければいけないほど、揺れが強くなっていた。あ、ちょっとヤバいかもと私は自分の体調を思う。でも薬は飲んだし、早く効いとくれ!

続く。
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