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とある団地に住む主婦のブログです。
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夕飯の支度のあいだに
先週末よりSさん日本へ出張のため不在が続く。長期休みの前にスケジュールが立て込むのはいつものこと。毎朝起きるとすぐにKが今日はとんとんいる?と聞いてくる。帰るのは来週だよ、帰ってきたら皆で海に行こうと毎回説明する。


Kは立派な男の子であるけれども、巷で聞くほどには「男の子はおとなしくないから大変ねえ~」というほどやんちゃではない。いや、やんちゃではあるけど、例えばキッチンの棚から醤油の瓶を持ち出して床にぶちまけたとか、ガラスのコップを投げて割ったとか、おもちゃは全種類ひっくり返して遊ぶとか、目を離すと道路に飛び出していくとか、そういう感じのことはあまりしない。

なので、それほど悪戯をされて困った!と思ったことはないが、最近はKの性格に茶目っ気が出てきて、悪戯をする頻度が増えた気がする。父母の問いにわざととんちんかんな回答をしてにやにやしたり、変な発言をして囃し立てたりする。一日に一回は、節がついた「べーろべーろばーあ、べーろべーろばーあ」という文句を、クラシカルに両手を耳に添え、舌を出して頭を揺らしながら使う。

そんなKの最近の悪戯を、軽めと重めで一つずつメモ。

先日、夕飯の支度の途中で手が空いたので、リビングのKの様子を見に行った。すると、Kが部屋のあちらこちらにシールを貼りまくっていた。シールはトイレトレーニングの時にタオバオでまとめて買ったものがあり、普段Kが触らない引き出しに入れておいたのだが、それを引っ張りだしてきたらしい。キャラクターのシールが大量にチェストや本棚、空気清浄器、机、テレビ、椅子、いろんなところに貼られていた。そういえば意外にも、私がいない時にシールをあちこちに貼られたのは初めてかもしれない。

Kちゃん!これどうしたの、シールはノートに貼るものって決めたでしょう~と私が言うと、「Kちゃんね!シール、まちじゅうに貼ったの!」と嬉しそうに言った。まちじゅう。あのね、部屋の中のあちこちに貼るのは止めて。それに街じゅうじゃなくて部屋じゅうでしょう~、と私が訂正すると「ううん、まちじゅうだよ!」と譲らないK。街なんだ・・・。まあ、考えてみればシールを貼る場所をノートだけに限定するのも親の都合なわけでかわいそうかもしれないしと、今後はKの持ち物なら自由に貼っていいことにした。家具に貼ったシールをいっしょに剥がし、レゴの箱やおもちゃに貼り直す。剥がしやすいタイプのシールで良かった。

もう一つの悪戯は今日の出来事。やはり夕飯の支度の間、Kがキッチンに何枚か紙切れを投げ入れささっとリビングに戻った。破れたような紙の切れ端を見て、嫌な予感がし、すぐにそれを拾い上げKの元へ。Kは絵本のページを破ったのだった。私がどうしてこんなことをしたのかと聞くと、え?何か悪いことでも?という感じで「これは紙でしょう?」と言った。紙なら破っていいでしょうと。それで、私が絵本棚にあるK気に入りの本を指し、本はみな紙でできているからこれもこれも破っていいのかと聞くとそれは嫌と言う。

Kがびりびりに破った絵本は『おつきさまこんばんは』だった。赤ちゃんの時の本で、最近は全然読まなくなったし、たぶんKにとって今はそれほど興味がある本でもないのだろう。そういうこともあって、軽い気持ちで破ったのかもしれない。だけど本を破るなんて本当に悪いことだから、ぜったいにやってはいけないよと話す。

私はとても悲しかった。Kの行動の善し悪しが悲しいのではなくて、単に『おつきさまこんばんは』がビリビリにされたのが悲しかった。それで、正直にそのことをKに話した。この本はKちゃんが赤ちゃんの時に、ちっちゃんが初めてKちゃんに買ってあげた本だよ。初めての絵本だよ。赤ちゃんの本だから今は読まなくなったけど、ちっちゃんはこれとても大切な本だよ。Kちゃんにびりびりにされてちっちゃんはすごく悲しいよ。と、話しているうちに情けなくも気持ちに飲まれてしまい、涙腺全開で訴えてしまった。

私が泣きだすと、それまで余裕の表情だったKはすぐに自分も顔をゆがめて、もう本やぶらないよーと言いながら泣きはじめた。私はすぐに涙を止めることができず、二人してえんえん大泣き。Kがその小さい手を私のひざにおいて「にどとやぶらないからちっちゃんもう泣かないで~、わーん!」といっそう大きな声で泣きはじめたところで、我に返った。あかんあかん。本は大切にしようね、と適当に?話しておしまい。

ちょうど1年前か、冬の頃だったかなあ。今振り返っても壮絶なKの偏食の時期が続き(今でも偏食気味だけど程度が全然違う)、夕飯をぜんぜん食べてくれなくて、悲しくて悲しくてKの前で泣いてしまったことがある。母はもはや食べさせるものが思いつきま、、、せ、ん。。。。。バタ!という感じの瀕死の状態だった。顔を臥せって泣いていたら、まだそれほど言葉が巧みでないKが、一言食べると言い、黙々と残された食事を食べてくれ感動したのだった。日記に書いたかな?食べ終わってヒシと抱き合った私たち。

こんなふうに母に同情を寄せさせるというのは、そう頻繁にさせてはいけないことと思うのだけど、年に1回でもこういうことがあると、子どもというものは母が悲しいと悲しくなる生き物で、いつも母のハッピーを願ってくれているのだと実感する。もちろん、私はKを試したり同情を引くためにわざと泣いてるわけじゃないが、Kって何ていいやつ!と思うんである。
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