近所の果物屋から全てのくだものが消えた。もうすぐ果物屋は蟹屋になる。店先には予約受付中の看板が出ていた。私たちが上海に来たときも、ここは蟹屋だった。上海蟹の季節。秋が来たのだ。

火曜日の出来事をすこし。朝から今日はどこへ写真を撮りに行こうかと考える。「芝生　上海」で検索して辿り着いたページに、近隣の大学にて人が入ってもよい芝生があると知り、午後からそこへ行く事にした。近くに前から気になっていた日系ベーカリーがある。ついでに行こう。

家でKに昼ごはんを食べさせているとCちゃんから連絡が入る。私が午後の予定を話すとお伴したいと言ってくれたので途中から合流してもらうことに。もうすぐ他都市へ引越す予定のあるCちゃんに渡したいプレゼントもあったのでちょうどよかった。

まずはパン屋までタクシーで移動。店には日本人店長らしき人にカレーパンをお勧めされたのでカレーパン他いくつか惣菜・おやつパンを買う。デリバリーがあると聞いたんですけれど、と私が言うと専用のちらしをくれた。25元のサンドイッチメニュー。けっこうボリュームありますよ、と店長（らしき人）。ええやないか。友だちが来た時に利用させてもらおう。店長さんは関西弁であった。

パン屋を出て大学へ徒歩で向かう。5分少々かかった。キャンパスを歩く。初めて来るところだけれど懐かしい感じ。中央部に芝生の広場があった。芝生部分はそう広くはない。でも、手入れがちゃんとされていて中には大きな木が植わっておりよい雰囲気。芝生の隣には石製のテーブルと椅子があるスペースも。そのスペースでは学生が昼寝をしたり、ノートパソコンを開いていたり、おばさん（先生かも）が何かカラフルな本を読んでいたり。芝生のほうでは男子学生が5,6人、大きな木の下で円陣を組んで話し込んでいた。

Kをベビーカーから降ろして芝生に放牧。何枚か写真を撮っていたら、円陣の学生たちがちらちらとこちらを見た。撮影不可な場所だったらマズイ、と思いつつ、周りを見渡しても特に撮られたらまずそうな施設は見当たらなかったので、とりあえず気にせず続けた。芝生の常連になったら学生たちはいつかKと遊んでくれないだろうか。

Cちゃん親子と合流。芝生に座って子供たちにおやつをあげながら話をする。これから先も彼女たちとこんな時間が持てたらいいのに。1年か、2年したらまた上海に戻ってくるかもしれないとの話を聞く。リュックの中から餞別に持ってきたピーラー（先日私が自分用に買ったのと同じもの）を出し、Cちゃんに渡す。これが前に話したおすすめのピーラーです。あちらに行っても、これでどしどしジャガイモの皮を剥いちゃってください。

芝生あそびを止め、引き上げようとしたらCちゃんはこれから歩いて石けん屋さんまで歩いて行くと言う。店名を聞けば私も一度行ってみたいと思っていた店だった。だけど歩ける距離だったっけとCちゃんに聞くと、40分くらいかかるのかな？と何てことないように話す彼女。面白そうだったので、Kの様子を見ながら自分もついていくことにした。だめだったら途中離脱すればよいのだ。

ベビーカーを押し歩いて30分ちょっと。話しながら歩いたのであまり距離を感じなかった。結局目的地まで無事着いてしまった。プラタナスの並木道があったり、ローカルな、でも小さくて感じのよい古い店が並ぶ通りがあったり、歩いているだけでなかなか楽しいルートだった。「優秀歴史建築」のそばも通ったし。

石けん屋では日本に持ってかえる土産物を何点か買い、自分用にもシャンプーを買った。ノンシリコンのローズオイルシャンプー。Cちゃんが使ってみたらなかなか良かったよというので、試したくなったのだった。小さな店舗だったけれど、他にもいろいろと気になる商品がありそう。店に着いた頃にはKがさすがに疲れてしまっていたので、あまり丁寧には商品を見られなかった。また今度Sさんと来よう。この日の散歩道はきっと彼も気に入ってくれると思う。

石けん屋を出て、Cちゃんとは別れた。彼女は帰りも徒歩で戻るらしい。私とKはタクシーに乗って帰宅。国慶節が近いし、引越しも近い。彼女とはもうしばらく会えないかな・・・。でも、いつかまた会えたらいいなと思えて別れた上海ともだち2人目。

この日の夜から、毎晩石けん屋で買ったシャンプーを使っている。バラの香りは元々は苦手だったのに、なんだかこれは嫌じゃない。むしろ気持ちいい。Kといっしょに風呂に入ることがほとんどなので日々ゆっくりできないバスタイムだけれど、においをかぐと気持ちがふわりと明るくなる感じ。心が健康になれるぞ。値段も手ごろだからまた買いにいこう～