金曜夜、Sさん残業。時間が遅くなったので念のため、地下鉄ではなくタクシーを使っての帰宅。今いちばん危険度が高い服装は日本的サラリーマンルックなわけで、夜は特に気をつけようということに。

夜、Kが眠ってから夫婦会議。土曜日以降のデモのルート、時間等を領事館のHPで確認し、twitterで見かける上海界隈のつぶやきを眺めたりした後、Sさんと話す。だいたいのところで意見が一致。子供連れが危ない目にあうリスクはゼロではないけれど、まずないと思っていいと思う。そして、リスクがゼロではないから週末に外出を自粛する、というほどの事態とは思えない。デモがあるエリアには近づかない、人の反感を買うような行動はしない等、ポイントを抑えておけばいつもどおりで大丈夫なんじゃない？との結論。

土曜日、昼食をとりに回転寿司へ。いつも日本人の家族連れで賑わう店だが、やはりパッと見た感じ日本人は少ない。でもガラガラということもなく、客席は8割方埋まっていた。ここへ来るときはK用にいつも簡単な弁当を持参していたのだけど、この日は注文したものを食べさせてみた。煮穴子やらたまごやら。酢飯も気に入ったようでたくさん食べた。

昼食後、KとSさんと別れて私はタクシーに乗車、カメラ教室へ。今週入って、ことタクシーに関しては、乗車拒否にあう人の話とか、他にも各種トラブルの話を聞いていたので少し身構えていた。行き先を告げるときもちょっと緊張してどもったりして。行き先は日本人が多く住むエリア、私はちっとも今風の顔じゃないのになぜかいつも日本人とばれてしまう日式顔、さて、おまえは日本人かと聞かれたらなんて答えようか、島の話をふられたらどんな反応をしようか。

道中iPhoneをいじりながらそんなことを車内で考えていたら、目的地まであと少しになったとき、前に座っている強面の運転手が唐突に鼻歌を歌いだした。メロディを聞いて、え、と驚く。運ちゃんが歌っていたのは、谷村信司の『昴』だった。

この時の気持ち、何て言ったらいいんだろう。たまたまだったんだと思うし、運転手に特に意図はなかったと思うんだけど、気のよい私は（自分で言うよ）一瞬のうちに良いふうに考えてしまって、運ちゃんからの粋な応援歌をいただいたと理解しました。それで、うわーと今まで中国でお世話になったことのある知り合いやらたまたま出会った親切な人やらなんやらを思い出したりして、そうやったなあ、ぶっきらぼうだけど素朴で優しい人間が中国にはたくさんおるんやったなあ、なんて。このところ自分が中国人に対し鬱陶しいと思っていたことを棚に上げて、思ってたら、じーわーと涙目。

いやあなんだか分からないけど元気でた、やっぱり私は外国にいる人間として各種情勢に気をつけながらも、基本的には中国にいる大多数の良心を信じることにする、これを自分としては良しとしよう、という気持ちになって車を下りた。シエシエシーフ！

日本人街（と勝手に呼んでいるところ）は、いつもの週末と比べれば日本人が少なく歩いているのは中国人か韓国人ばかりだった。でもそれ以外は特に変化なし。カメラ教室も予定していた出席者は全員揃った。

宿題として撮ってきた写真をみんなの前で見てもらう。講師から頂いたアドバイスは次のとおり。子供は動きが激しいのでとりあえずはマニュアルではなく絞り優先モード中心で撮ること。白っぽい服を着せているときの露出に注意。なるべく近づいて撮る。他人がスナップ写真としてはOKだけれど親だからこそ撮れる表情を狙う。思い切りアップにしてもいい。子供が近づきレンズに手を伸ばしてきたら、自分が後ろに動いて避ける（まるでボクシング！）。

講師の先生にチェックしてもらうと、次はこんなふうにしようと考えることができてとても嬉しい。まだカメラの操作には不慣れなところがあるけれど、前よりはだいぶ分かってきたような気もする。Kの好奇心パンチを避けながら、よい表情を撮れるようがんばろ～

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05年の反日デモのとき、ちょうど青島にいて、そのころ青島はノンビリだったなあ、あの時も上海のほうが過激だったから、今回も青島はのんびりしてるんだろうな～と思っていたら、青島であった放火等々のニュース。ジャスコ黄島店、とあるから被害は離島や郊外が中心なのかな。あまり詳細知りませんがちょっと驚いた。

実家のほうも報道を見て少し心配したようで、日曜日には両家の母からメールあり。例えば街を出歩いたら視線におびえるとか、外出できなくて生活に困っているとか、全然ないのです。でも、在住日本人の間でも人により受け止め方が違い、人によっては週末こもっているとか、日系スーパーでは食料品の買占めが始まっているとか、いろいろあるようだけど。

写真：我が家は今日も通常運転。デモエリアを避けて橋を渡り、おでんタワー近くで散歩した。風が気持ちよくて青空があって、絶好のデモ日和で絶好の散歩日和。おでんタワーではたくさんの中国人が観光をしていたよ。