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とある団地に住む主婦のブログです。
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麻辣香锅


友だちに誘われて麻辣香锅を食べに行った。街でたまに店の看板を見かけるので存在は知っていたが、一度も食べたことがなかった。湘菜、湖南料理だと思う。


気のおけない友達同士、ここのはおいしいよと連れて行ってもらった先は、ショッピングモール内地下にある何でもないフードコート。学生食堂のような長いテーブルがずらっと並んでおり、その左右にはセルフ式の小さな店が連なっている。

時刻はちょうど昼の12時、近隣のビジネスマンやOLたちが大勢食事をしていた。麻辣香锅のお店もよく流行っており、店の前には注文を待つ人たち、できた料理を受け取る人たちがいっぱい。注文の仕方が分からず慣れている彼女に任せる。妊婦だが行動は機敏。注文受付のおばさんの注意をひきつけ、次々に鍋にいれる食材を指定する。これと、これ、・・・ああ、二人分だからそんなにいらない、それは(しなびた肉)いらない、こっち(きれいめの肉ひときれ)を入れて・・・・

おばさんが手に持つアルミボウルに、れんこんや白菜、たけのこなど野菜を中心に入れられ、豚肉を少しと、腐竹や粉皮などが入る。Nちゃんなんか入れてほしいのない?と言われたけれど、彼女のチョイスが最高に思ったのでプラス豆腐皮を足すにとどまる。

レジ前で辛さを聞かれ(中辣にした)、現金前払い。この手のフードコートは上海市内あちこちにあるけれど、事前にチャージ式のカード(デポジットが必要)を買うところが多く、購入専用カウンターに並ぶのが面倒な印象だった。ここみたいに現金払いなら楽でいい。ちらと横目で見ると、日本の丸亀製麺がある。・・・ここならKを連れて来ても彼にはうどん、私は辛いものと食べられるかも!と思う。

レシートには番号が書いてある。48号。混んでいるので5分くらいはかかるんじゃないと友達と話し、先に席をとる。ピーク時でなかなか空席がない。相席で横並びに二つとれそうな場所があった。テーブルに食べ終わったマクドナルドのトレーが放置されている。前に座っているおばあさんに有人吗?と声をかけ、無人なのを確認してから友達を座らせた。これ、どこに返せばいいんだろと、トレーをもってキョロキョロしていると、友人がその辺に置いとけばいいんじゃない?と言う。そうだった、中国式でいいんだ。トレー回収おばちゃんたちが持っていくのだからそれでいいのだ。とりあえず、トレーを他のテーブルの空いている席に置いてくる。

Yちゃんは妊婦さんだから座っててください、とレシートを持って料理を受け取りに私が一人で再び店の前へ。番号が呼ばれるまで少し時間がかかった。料理は店のカウンター前に高く積み上げられたトレーの一番上に置かれる。手を伸ばせば届くが、私の背より高い位置である。番号を呼ばれると、そこに料理がどさっと盛り付けられた中華鍋が載せられる。続いて、コック服を着てマスクをしたお兄さんとおじさんの間ぐらいの男性が、人数分のごはんを茶碗によそい鍋の横に置く。背の高い女性客が、「二人分、多めにご飯もって」と言うと、お兄さんは淡々と【普通盛り】をしながら「足りなかったらまた入れてあげるから来ればいい」と言った。ご飯はおかわり可のようだ・・・

48!と呼ばれ、私は高々とレシートを持った手を挙げる。鍋セット完了、ご飯セット完了。さて・・・、と背より高く積み上げられたトレーの一番上、端に手を伸ばし持ち上げようとするが、思っていた以上の重量感にう!となる。中華鍋だから重いんだ。気の毒に思ったか、トレーを持ち上げるのをコック服のお兄さんが手伝ってくれた。そして一旦持ち上げたものを、自分の胸の前の位置まで持ってくる時には、横で料理待ちをしていた男性客が黙って下から支えてくれた。・・・優しいお兄さんたちに萌える36歳。そしてガイジンらしくシエシエを連発して席まで移動する。

初めて食べた麻辣香锅は、非常においしく感じた。四川料理や湖南料理でよく見かける赤い唐辛子がたくさん入っていて、花山椒の粒もそこそこ入っている。汁無しの干锅の一種だから、具材を選べば、例えばこの日は豚肉を選んだが、鶏を選べば辣子鸡丁みたいになるのだろう。味はだいたい予想できる。でも、ご飯がとても進む味。中辣にしたので辛くて食べられないんじゃないか?微辣のほうが良かったんでは?と心配していたが、結果全然大丈夫だった。自分にはちょうど良い辛さ。

値段は入れる具材により異なる。この日は二人で90元だった。青島にいた頃の物価を考えるとこれでも高いなあと思うけれど、上海なら普通か、普段ママ友と行くようなお店からすると安い。また行きたい、というか、自分はこういう中華をもっと食べたかったんだとしみじみ思った。幸いついて来てくれそうな友達は少ないけれど今はいる。帰宅してすぐ別の友達へ連絡をとる。彼女も、幼稚園(ママ)友と行くときは洋食ばっかりになっちゃうんだよねとこぼしていた。そうなんだ、中華と言っても飲茶でもなく、バンド沿いでもなく、おしゃれ少数民族料理でもなく、普通の現地の人が行くような店(もちろん店内の清潔さはある程度重視するけれど)で美味しいところ、いっぱいあるはずなのに、なかなか行く機会がない。

Kが幼稚園に行くようになってしたいことの一つ。中華料理を堪能したい、これは財布と体重と相談しながらあちこち試したいな。

写真: 珈琲店の飾り棚にいたのび太。腕がもげて切ない。
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