少し前からKは、あいうえお表の「の」に描かれている海苔巻きが気になる様子。「これなーにー」、のりまきだよー、「のり、まき、べたーいなー、べたーいなー」。そんなに？と思って昨夜の夕飯を海苔巻きにした。

Sさんは会食で遅くなるとのことだったので、自分たちだけで自由に。リビングのKのテーブルにご飯をいれたボウルをもって行き、玉子焼きと鶏そぼろ、海苔、きゅうり、麩と大根の味噌汁を用意する。酢飯はたぶんあまり好きじゃないだろうと思って、ごはんにはユカリをふりかけいっしょに混ぜた。

焼き海苔が少し硬いから大丈夫かなと思ったけれど、小さなまき寿司を自分で作って（私も手伝ったけど）ぱくぱく食べた。いい顔見れた。Kはお麩が大好きで、味噌汁の麩を私の分まで食べてしまった。床も椅子も洋服も、手も足も、こぼれ落ちたご飯粒でベタベタになってしまったけれど、覚悟をもって始めたから後片付けはイライラせずにすんだ。想定内、想定内。

午前零時をまわって、まだかえって来ないSさんにメールをしてみる。返答がない。いつもなら大して気になることでもないのだけれど、昨日は気が乗っていろいろ意地悪をしたくなった。返答がないのは返答ができない状態であるから仕方がないことなのだけど、更に無意味に電話をかけたくなる。かけた。iPhone、出ない。仕事用携帯、出ない。意地悪になった妻はしつこいのである。もういちどメール。へんじがないのでいじわるしますよ、ドアのチェーンかけちゃおっかなー（最悪な脅し）。

その後、いまわいたんですそろそろ帰ろうかなというメールをもらい、私はドアのチェーンはかけず、しかし部屋の電気は真っ暗にして（いつもは少しだけ明かりを残す）、先に寝室にはいった。それでも何だか眠気がなく、結局、Sさんが帰宅後シャワーして寝息を立てるまで意識は遠のかなかった。意地悪なこと考えすぎたせいかもしれない。

SさんにそっくりすぎるKが、最近私に似てきたとSさんが言う。そう言われてみれば以前より親しみがわく顔をしている気もする。自分に似ている部分を感じるからだろう。Kが夜、横になったとき、パジャマがめくれてお腹が出ていた。私がお腹を冷やしてはいけないと服を整えてやろうとしたら、Kはううんー！と唸り私の手を払いのけ、パジャマをいっそう上に捲ってお腹を丸出しにしてしまった。あらこれデジャブ。Kちゃん、いじっぱりというのはこの世の中割り食うのよ。気をつけなくちゃあ。