Kはながらく、自分の股についているものを「おっぱい」と呼んでいた。あれもこれもおっぱい。

SさんがKを風呂に入れるようになり、それではいけないと思ったのか一生懸命男の体をはって説明したらしい。おかげで近頃はちんち、と言うことができる。おっぱいとは違うと分かったみたいだ。

Sさんは大きい湯船が好きだ。日本にいたときからスーパー銭湯へ行くのは彼の何よりのストレス発散法だった。今の部屋の湯船は小さい。もちろん洗い場もない。しかしマンションのクラブハウスにジム併設のお風呂があるらしい。私は行った事がないけれど、Sさんは気に入ってよく利用している。ジムは使っていないから、お腹は凹まないがストレスは解消されるらしい。

最近はよほど遅い時間でなければ必ずKを連れて行く。そんな小さな子どもを連れてきている風呂利用者は他にほとんどいないと言う。利用者自体が少ないのでのんびりできるらしい。たまにいろんなお国の方といっしょになるらしいが皆親切でやさしいと言う。Kも愛想よくしているみたい。一度のぞいてみたいわー男風呂。